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Report Managerとは?
当サイトでもバックテストデータの合成によく使っている「Report Manager」ですが、MT4でEAの自動売買を行うトレーダーにとって非常に有益で、必須と言っていいほどのツールではないかと思います。
本気でMT4の自動売買をやろうと思っている人は必ず使えるようにしたほうが良いのではないかと思います。(そんなに難しくありませんので…)
MT4の優れた機能であるバックテストををさらに1歩進めた使い方です。
知らない人は「目から鱗〜」だと思いますので、チャレンジして見てください。
Report Manager(レポートマネジャー)で何ができるか
Report Manager で何ができるかというと、簡単に言えば複数のEAのバックテストデーターの合成ができます。
何のためにレポートマネジャーを使ってそのようなことをするかと言うと、MT4でのバックテストには制約があり、当然といえば当然なのですが、複数の…EA、通貨、パラメータ、期間のバックテストは同時にできません。
たとえば、AというEAのEURUSDの直近5年のバックテストでは、5年間のEAの利益やドローダウンが分かりますが、仮にBというEAのGBPUSDと同時に同じ5年間を稼働させていたらどうだったのか? さらには、CというEAのUSDJPYも同時に稼働させていたら?…..というようなことはMT4ではできないのですが、Report Managerではこのようなバックテストデータの合成が非常に簡単にできます。
なぜ、複数EAのバックテストデータを合成するのか?
自動売買でEAの収益を安定させて利益を上げていくためには、ポートフォリオ全体でのリスクを複数(多数)のロジックのEAや通貨ペアに分散させて収益曲線をなるべく平坦化させて、一時的なドローダウンの金額を極力小さくする必要があると私は考えます。
さらに現実的には、口座全体でのドローダウンを抑えつつ、個々のEAのロットをできるだけ大きくして、利益の最大化を追求する….というのがMT4自動売買の王道ではないかと私は考えています。
それらのために、EAのバックテストデータを合成することによって、
1、そのEAが他のEAと相性がいいか、ポートフォリオに入れるべきか?
2、各EAにはロットをどれくらいまで掛けられるか?
この2点を判断する事にあると考えます。
もう一つ稀ですが、特定期間を除いたバックテストデータを作る場合に使う場合があります。非常に面倒で私はやりませんが、年末年始、お盆を、週末やイベントなどを除いたバックテスト結果を知りたい場合は、MT4でその期間以外のバックテストを個々に行い最後に合成すれば特定期間を除いたバックテスト結果が得られます。
では、具体的に見ていきます。
以下のバックテストは当サイトのブレイクアウトEAのデータです。
EURUSDとGBPUSD、それと合成されたデータの「Total net profit」と「Maximal Drawdown」に注目してください。
*クリックで拡大できます。
(EURUSD)
(GBPUSD)
(合成データ)
「Total net profit」(純利益)に注目すると、EURUSDとGBPUSDを合計すると、合成データの数値になります。当たり前といえば当たり前ですけど….
次に、「Maximal Drawdown」(最大ドローダウン)に注目してください。「ん!」それぞれの「Maximal Drawdown」を合計しても合成データの数値にはなりませんね。
大雑把にドローダウンについて見ると、EURUSDで172000円、GBPUSDで147000円のドローダウンですが、同時に稼働させていたらドローダウンは145000円だったと言う事です。
なんと最大ドローダウンが小さくなっています!
魔法でもなんでもありません。片方が負け込んでいる時に、もう片方がコツコツ穴埋めをしていたと言う事です。大事なことは同じタイミングで負け込んでいないと言う事です。
このような組み合わせが、相性の良い組み合わせといえます。場合によっては最大ドローダウンがものすごく小さくなる場合があります。
うまく組み合わせる事により多数のEAをガンガン走らせていても、ドローダウンは小さく抑えられているという状況が実現できます。
ドローダウンが小さいということは、許容できるリスクの中でより大きなロットをかけられるということでもあります。
ロットの大きさと損益は比例しますので、リターンはロットを上げたぶんだけ増益となることが期待できます。
この点が自動売買で、ポートフォリオの最大のポイントだと私は考えております。
具体的な使い方
まず、元となるバックテストデータがいいかげんでは、出来上がったデータの信頼性も低くなります。正しいバックテストのやり方はこちらをご覧ください。
Report Managerで使うバックテストデータは、複利のものはダメです。必ず固定ロットでバックテストしたデータをお使いください。
Report Managerはメニューの「ツール置き場」にあります。インストールする場合は右クリックから、「監理者として実行…」で行ってください。
まず、Report Managerを立ち上げて、左上のファイルメニューから「Open Reports」を選択します。
次に、合成するバックテストデータのあるファイルを選択します。
Report Managerの左側のウインドウにデータが追加されたことを確認します。
同じ手順で合成する、もう一つのデータReport Managerに読み込みます。
必要なら、さらに合成するデータを読み込みますが、今回はこの2のみで説明します。
データにチェックが入った状態で、レポート用紙みたいなボタンをクリックします。
チェックの入ったデータのみ合成します。
ファイルを合成してReport Managerの左ウインドウに表示されます。選択すると合成されたグラフやデータが確認できます。
次に合成データを保存します。
さっきのレポート用紙みたいなボタンの右にある「フロッピー」(死語)のようなボタンをクリックします。
保存ウインドウが開きますので、お好きな名前をつけて保存してください。
以後、作成したファイルはウエブブラウザーで見ることができます。
なんだか、すごい武器を手にしたような気になるかもしれませんが、1点注意があります。
このReport Managerは、一度に読み込めるデータに上限があり、多くのEAの長期のバックテストデータを残念ながら合成できません。
当サイトで無料提供しているEA全ての過去8年分くらいのバックテストデータを読み込もうとしましたが、全然ムリでした。
また多量、長期でなくとも、ポジってからトレーリングストップなどのオーダーモディファイを繰り返すEAは、バックテストの売買データが非常に大きくなります。このようなEAの場合予想外に早くReport Managerの読み込めるデータの上限に達してしまいます。
まとめ…
惜しい点もあり、万能ではありませんが、ロット算出やドローダウンの予想など非常に有益な情報をバックテストの根拠を元に導き出せるReport Managerは、自動売買を志す人の必須ツールの一つだと思います。
複数のバックテストから収益曲線を手軽に合成するツールはポートフォリオを組むにあたって必要なので、私のEAを使っている人はもちろん、自動売買をしている人はチャレンジして見てください。
私はこのアプリを作った人にとても感謝しています。同時に読み込めるデータ量を現在の100倍くらいにしくれたらもっと嬉しい…..などと思ったりなんかもしています。
>>ダウンロードページ(Report Manager他 ツール)
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