MT4でEAを自作している人だったら必ずと言っていいほど知っている「Quant Analyzer」、
開発者だけで無くFX自動売買を行うトレーダーにとっても非常に有益だと思いますので今回はこの「Quant Analyzer」について、インストールから簡単な使い方の説明までをして見ようと思います。
このツールを使い多角的にEAを見ていくことで、自動売買に対する理解も深まり、EAトレーダーとしての腕もアップするのではないかと思います。
もちろん無料で使えるツールです。(有料版もありますが無料版でも十分…….)
コンテンツ
Quant Analyzerとは?
「Quant Analyzer」を一言で言えば、リアル口座の売買履歴やバックテストのデータを読み込んで、さらに一歩進んだ分析をするためのツールです。
このツール、実は非常に多機能でして私自身も全ての機能を使っているわけで無く、一部機能を使っているにすぎません。
私が主に使っている機能は、バックテスト結果についての……
1、曜日別のEAの成績
2、時間帯別のEAの成績
3、EAのポジション保有時間の成績
4、EAの年度別、月別の成績の差
5、バックテストデータの合成
などなど….です。
曜日別や時間帯別に見て成績に偏りがあるのであれば、悪いときはEAを止めるなどするとパフォーマンスをあげられる可能性があります。
保有時間による偏りも同様です。
一定の期間別に見て成績の偏りが大きい場合は、ロットを掛けにくいEAであり、逆に浮き沈みの小さいEAはロット勝負に向くのではないかと思います。
特に年度で見て大きな波が無いEAが理想的では無いかと思います。
バックテストデータの合成は「Report Manager」でもできますが、こちらの方が大量のバックテストデータを読み込めますのでメリットは多いように思います。
Quant Analyzerのダウンロード方法
まずは、Quant Analyzerの公式ダウンロードページへ行きます。
*ページデザインは変わる場合があります。
「FERR VERSION」をクリックします。
すると以下の入力画面がポップアップします。
*以下、画像をクリックすると拡大表示できます。
名前と受信可能なメールアドレスを入力して「Get FREE version」をクリックします。
数十秒ほどで「QuantAnalyzer free – please, confirm your email.」というタイトルのメールが届きます。
届いたメールの中央の「Confirm the subscription>」をクリックすると以下のダウンロードページに飛びます。
お使いのOSが64ビットか32ビットかにあわせてダウンロードします。
*Quant Analyzerの公式ダウンロードページからでもダウンロードできます。
残念ながらMacOSでは動きませんが、Parallels Desktopを使えばWindowsと同じように使用できます。
この時点で、もう1通「Welcome to Quant Analyzer」というメールが届いていると思いますが、このメールには重要なライセンス番号が記載されています。
あとはダウンロードしたQuant Analyzerをインストールします。
Quant Analyzerのインストール
*画像をクリックすると拡大表示します。
先ほどダウンロードしたインストーラーをダブルクリック等で実行します。
*バージョンナンバーは変わる場合があります。
セットアップウイザードが開きますので「NEXT」をクリックします。
「I accept the agreement」にチェックを入れて
「Next」をクリック
内容は確認していませんがwww
とりあえず「Next」
インストールされるフォルダが示されていますが、問題ないと思いますので「Next」をクリック。
スタートメニューにQuant Analyzerのフォルダーを作りたくない場合は、下のボックスにチェックを入れます。
問題ないと思いますので「Next」をクリック。
デスクトップにアイコンを作りますか等ですがそのままで問題ないと思いますので「Next」をクリック。
確認が出ますので「Next」をクリック
くどい確認手続を経てやっとインストールが始まりますww
「Finish!」
Quant Analyzerが立ち上がると、最初にライセンスナンバーの入力を求められます。
メールで届いたライセンスナンバーを入力(コピペ)して「Verify License」をクリックします。
お疲れ様でした。これでインストールは完了です。
今後は起動すると左のような確認が出ますので、「Continue」をクリックして起動させます。
Quant Analyzerの使い方
Quant Analyzerは非常に多機能でいろんなデータが取れるのですが、私が普段使っている機能について簡単に説明します。
英語版のアプリケーションですが、それほど迷うことなく使えるのではないでしょうか。
使っているうちになんとなく使い方がわかってくることもあると思います。
基本的には、Quant Analyzerに売買データを読み込んで、そのデータについて多種多様な分析を行います。
私は普段 Quant Analyzer をバックテストデータの解析に使っていますが、MT4のリアル売買の履歴を取り込めばリアルトレードの分析にも使えます。
また、自動売買だけでなく裁量トレードの売買にも利用でき、自分のトレード手法の意外な一面を発見することもあると思います。
取り込むデータは、バックテストデータの場合は以下のようなhtmlファイルです。
MT4から出力されたバックテストデータだけでなく、レポートマネジャーで合成されたデータも取り込むことが可能です。
リアルトレードの売買データは以下の手順で保存します。
MT4のターミナルのアカウントヒストリーで右クリックして「Save as Report」(日本語の場合はレポートの保存(S))を選択して、売買履歴を適当な名前をつけてhtmlファイルとして保存します。
では実際に読み込んで、曜日別の成績を見てみます。
Quant Analyzerのメニューバーの「Load Report」をクリックします。
取り込みたいファイルを選択します。
今回は「Scal-3-US-LS.html」というレポートマネジャーで合成したデータを取り込んで見ます。
ファイルを選択して「OK」をクリック。
読み込みが終わったら「Continue」をクリックします。
オーバービューが表示されました。
ここからいろいろ始めます。
オーバービューの隣の「List of Trade」タブを選択すると売買履歴が見れます。
LのみやSのみを抽出したりもできます。
さらに隣の「Equity Chart」では損益のチャートが表示されていますが、このチャートをLのみやSのみにもできます。
また、普通横軸はトレード回数ですが、横軸を時間に帰ることもできます(これイイ!)
さて、ここからが本台です。
さらに隣の「Trade Analysis」タブをクリックすると以下のようになります。
このウインドウでいろんな分析ができるのですが、メニューバー部分でLのみやSのみに変更できるのはもちろんですが、時間が絡むデータなどをOpenを基準にするかCloseを基準にするか選択するボタンもあります。(デフォルトはオープンベースです)
今回は赤丸で囲ったグラフスペースで、曜日別のパフォーマンスデータを表示させて見たいと思います。
上部のプルダウンメニューから
「P/L by weekday」を選択します。
するとあっさりグラフエリアが曜日別のデータに変わります
エリアの右上の四角いボタンをクリックすると拡大表示されてわかりやすくなります。
ついでに、他の項目も見てみます。
エントリーしてからの時間による成績の違いを見てみます。選択する項目は、
プルダウンで「P/L by trade duration」を選択します。
この結果を見るとエントリーから24時間以上経つと勝率が非常に悪くなることがわかります。
プルダウンで「P/L by month」を選択すると月別の成績が確認できます。
この場合は、10月だけちょっと良くないみたいです。
プルダウンで「P/L by hour」を選択すると時短帯毎の成績を確認できます。
サーバー時間で4時と9時くらいの成績が良くないです。

このグラフエリアのプルダウンメニューだけでもこれだけの項目があり多種多様なデータが見れます。
一応どれも参考になりそうなものなので、確認していると意外な発見がある場合もあります。
複数のEAなどのパフォーマンスの合成ができる
複数のバックテストのデータを合成することは「Report Manager」でもできるのですが、「Quant Analyzer」の方がより詳細なデータを取ることができるのと、大量のバックテストデータを読み込むことができるので、こちらのほうがメリットがあると思います。
複数のバックテストデータを前述の手順で必要なだけQuant Analyzerに読み込みます。
読み込んだデータはウインドウの下の方にデータと共に表示されます。
参考までに、表示させるデータを変更する場合は「Symbol」の項目の通貨ペア名あたり、赤丸で囲んだあたりをダブルクリックすると表示されているデータが切り替わります。
それではバックテストデータの合成を行います。
合成したいバックテストデータの左端にチェックを入れて「Create Portfolio」をクリックすると、ポートフォリオタブに切り替わります。
Symbolの通貨ペアのところをクリックするとデータが表示されます。
読み込んだデータの表示をいろいろ変えることができたりします。
ちなみに合成されたデータを構成する個々のデータを表示させたり、LのみやSのみなどの表示に切り替えることもできます。
読み込んだ合成データ(ポートフォリオ)の保存
ポートフォリオタブで保存したいデータにチェックを入れて「Save」のプルダウンから「HTML report(.htm)」を選択します。
データを保存する場所を選択して、適当な名前をつけて保存します。
次回からは、このファイルを読み込むこともできます。
ポートフォリオデータの分析
MT4のバックテストで出てくるくらいのデータはウインドウの下の方に表示されています。
「Net profit」「Profit factor」「Drawdown」など必ず見るような数字が表示されています。
上部のウインドウの「Trade analysis」では詳細な分析をすることができます。
「Equity chart」タブを選択するとグラフ表示もできます。
使い方のまとめ
基本的な使い方は上記説明の通りで、曜日別や時間帯別、ポジションの保有時間などによる統計なども有益なデータで有効な使い方の一つですが、多くのバックテストデータを読み込ませてポートフォリオ全体での最大ドローダウンなどを検証するのも非常に有効な使い方だと思います。
特に自動売買ではEAのロットを設定する場合に、最大ドローダウン値は重要になります。
今回紹介した機能は「Quant Analyzer」のほんの一部の機能で、私自身もいくつかの機能しか使っていませんが、非常に奥の深い分析ツールだと思います。
しかも無料で使えますので、MT4の自動売買に真剣に取り組もうという人は是非使って見てほしいオススメのツールの一つです。
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